YOKO YONEZAWA | POSTERS iN iMAGiNATiON
2008年
3月22日(土)〜4月10日(木)


[会場]
朝日新聞東京本社2Fコンコースギャラリー
The 2nd floor at Asahi Shimbun
Tokyo headquarters concourse gallery
〒104-8011 東京都中央区築地5-3-2
5-3-27 Tsukiji,Cyuo-ku,Tokyo
104-8011 JAPAN

※朝日新聞「天声人語」に掲載


 




パリに拠点を移し、早4年。暮らしの中から生まれたイマジネーションを、今回の個展では、フランスポスターに見立て、描いた作品を引き延ばして展示しました。メーカー名、商品、ネーミングなどは原則的には架空。描く事は、そういった「架空」をビジュアル表現できる手段でもあります。場所は朝日新聞本社コンコースですので、自由に人々が行き交う場所。パリのデパートLE BON MARCHEの個展(05年)も自然光が入る渡り廊下でした。今回の個展でパリとYOKOとのマッチングを味わっていただけたら幸いです。



展示作品 - クリックで作品詳細




パリの暮らしは、よく働き、よく食べ、よく眠ることが基本。長い冬を越えて、リラの花が咲く頃は、カフェのテラスや公園でひなたぼっこ。夏には南ヘヴァカンスへ出かけ、恋しかった太陽に身をまかせ、こんがり日焼け。秋は憂鬱な新学期を迎えつつ、もうすぐやってくるクリスマスに向けて、遠く離れる家族へのプレゼントを考える。たまに出かけるレストランではごちそうというよりも、ゆっくり時間と会話を楽しむ。ご近所との「元気?」から始まるおしゃべり。親しさは、ほおとほおを触れる「ビズ」で表す。


観光で訪れるパリはきらびやかでぜいたくなイメージもあるかと思います。でも暮らすパリは、とても質素。ぜいたくは年に数回の、とっておきのイベント。普通の毎日の中で、楽しい事は分け合い、苦しみは助け合いで克服する、というとてもシンプルな基本精神から成り立つ社会。古い建物は、故障も多く、東京ではあり得ないアクシデントもたくさん。個々の我慢の上に、歴史ある美しい街並の調和を作り出している現実を知り、ますますパリに魅了されるのです。人との関わりなくしては生き残っていけないシステムから、私の芸術的想像力は刺激されています。





   
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